株主間契約書のひな形
プレゼンテーション
株主間契約書は、株式会社の複数の株主間で、株式の譲渡制限、議決権の行使方法、会社の重要事項に関する意思決定手続、将来のExit(株式売却、IPO等)に関する取扱いなどについて合意する契約です。日本の会社法は株主間契約それ自体を直接規律する規定を設けておらず、民法の契約自由の原則に基づく契約として位置づけられます。もっとも、会社法が定める強行法規的な枠組み(譲渡制限株式に関する第136条・第137条、議決権に関する第308条、種類株式に関する第108条等)を逸脱する内容の合意は、会社そのものや第三者に対する効力を持たない場合がある点に留意が必要です。 株主間契約は、主にスタートアップにおける投資契約(創業株主間契約、投資家との株主間契約)や、合弁会社(ジョイントベンチャー)設立時に締結されることが多く見られます。創業株主間契約は、創業者が離脱した場合の株式の買戻し(いわゆるベスティング条項、リバースベスティング)を定めることで、共同創業者の一人が早期に退社した場合に未貢献分の株式を会社または他の株主が取得できるようにし、株主構成の実態と経営への貢献のバランスを図る目的で広く用いられています。 投資家との株主間契約では、情報開示請求権(経営情報の定期報告)、事前承諾事項(重要な事業譲渡、新株発行、多額の借入等について投資家の事前同意を要する事項)、先買権(株式を譲渡しようとする株主が他の株主に優先的に買取りの機会を与える義務)、共同売却権(タグアロング、支配株主が株式を売却する際に少数株主も同一条件で参加できる権利)、強制売却権(ドラッグアロング、多数株主が会社売却に同意した場合に少数株主も同一条件での売却に応じる義務を負う条項)などが典型的に定められます。 合弁会社の株主間契約では、これらに加え、取締役の指名権(各株主が一定数の取締役を指名できる権利)、デッドロック(意見対立により意思決定ができない状態)の解消手続(調停、第三者評価人による株式買取り等)、競業避止義務、契約終了時の清算方法などが重要な条項となります。 実務上の留意点として、譲渡制限株式に関する契約上の合意(先買権、共同売却権等)は、会社法上の正式な譲渡承認手続(取締役会または株主総会の承認)とは別個のものであり、契約違反があっても会社法上当然に譲渡が無効となるわけではない点に注意が必要です。契約の実効性を高めるためには、定款や株主総会決議との整合性を確保し、違反時の損害賠償額の予定や、株式買取請求権等のエンフォースメント手段を契約上明記しておくことが望ましいとされています。 本テンプレートはスタートアップの創業株主間または投資家参加後の一般的な株主間契約を想定した汎用ひな形です。取引の性質(創業株主間、投資契約、合弁契約)に応じて、ベスティング、優先分配、拒否権事項等の条項を追加・調整してください。
カスタマイズする情報
株主A(甲)の氏名または名称
株主Aの保有株式数
株主B(乙)の氏名または名称
株主Bの保有株式数
対象会社の名称
事前承諾を要する重要事項の内容
契約締結日
テンプレートをカスタマイズ
署名受取人
よくある質問
- 株主間契約に会社を当事者として含める必要はありますか?
- 契約の実効性を高めるため、対象会社を当事者として加え、株式の名義書換や取締役会決議等について契約内容を遵守する旨の義務を負わせる例もあります。ただし、会社法上の強行規定を逸脱する内容は会社に対する効力が制限される場合があるため、定款との整合性を確認することが重要です。
- 先買権と共同売却権(タグアロング)はどう違いますか?
- 先買権は、譲渡しようとする株主に対し、他の株主が優先的に同一条件で買い取る機会を与える権利です。共同売却権は、支配株主が第三者に株式を売却する際に、少数株主も同一条件でその売却に参加できる権利であり、少数株主の投下資本回収の機会を確保する目的があります。
- ドラッグアロング条項はなぜ必要ですか?
- 会社の売却(M&A)を検討する際、少数株主の一部が反対することで取引全体が頓挫することを防ぐため、多数株主が合意した売却条件に少数株主も従うことを義務付ける条項です。買収者にとって全株式を取得できる見込みが立つため、Exitの実現可能性を高める効果があります。
- 創業株主間のベスティング条項とは何ですか?
- 共同創業者の一人が一定期間内に会社を離脱した場合、その時点でまだ十分な貢献をしていない分の株式を、あらかじめ定めた価格(多くは取得価額)で会社または他の株主が買い戻せるようにする条項です。早期離脱による株式の偏在を防ぐ目的があります。
- 重要事項の事前承諾を得ずに会社が行為をした場合、その行為は無効になりますか?
- 株主間契約上の合意違反は契約当事者間の債務不履行責任(損害賠償等)を生じさせますが、会社法上の手続を経て有効に成立した会社の行為(新株発行、事業譲渡等)そのものが当然に無効となるわけではありません。実効性を確保するには、定款や株主総会決議との連動を検討する必要があります。
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このテンプレートに関する情報
- 最終更新日
- 2026年8月31日
- 国
- JP
- 法的表示
- 本ひな形は情報提供のみを目的として提供されるものであり、個別の状況に応じて修正の上ご利用ください。本ひな形は法的助言を構成するものではありません。